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自宅の売却資金を得た後もそのまま賃貸で入居できるリースバック契約。老後資金を確保したり、相続資産を現金化したりできるため、人によっては魅力的なプランに映るでしょう。
しかし、中にはトラブルに発展しリースバックを後悔する方がいるのも事実です。
そこでこの記事では、リースバックの具体的なトラブル事例と後悔しないためのポイントを解説します。
Contents |
リースバックの仕組みとは?
リースバックは自宅をリースバック業者に買い取ってもらい、その後リースバック業者と賃貸借契約を結ぶことでします。詳細は以下の記事で解説しているのでご覧下さい。
リースバックの仕組み〜デメリット・メリットをわかりやすく解説!
リースバックのトラブル事例7選
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家賃を上げられた・支払いが困難になった
リースバックの家賃は売却額などを元に契約で定められますが、賃貸借契約の更新のタイミングやオーナーチェンジによって一方的に値上げを要求されるケースがあります。
もともと相場の家賃よりも高く設定される傾向があるため、家賃の値上げが家計に与える影響は少なくないはずです。
勝手に家を売却された
リースバックは自宅の所有権がリースバック業者に移転します。つまり、その自宅を第三者に売るのも基本的にリースバック業者の自由ということです。
あくまでリースバックは事業の一環なので経営が悪化したり、現金が必要になったりと何かしらの理由で第三者に売却されることも珍しくはありません。
所有者が変われば経営方針も変わることもあり、家賃の値上げや契約解除などトラブルに発展することもあります。
賃貸借契約の更新を拒否され、退去せざるを得なくなった
リースバックは定期借家契約が結ばれることが一般的です。
定期借家契約とは期間に定めがある契約のことで、期間満了後は貸主の同意があれば更新することは可能ですが、同意を得られなければ契約を更新することができません。
自宅の買い戻しに応じてもらえない
実はリースバックには、自宅の買い戻しの条件を設定することも可能です。
しかし契約の条件内容をしっかり確認していないと買い戻しができない、または高すぎて買い戻しができなくなる場合があります。
買い戻しの条件位は「買い戻し予約」と「買い戻し特約」とがあり、以下の通り内容が異なります。
買い戻し予約の要件 | 買い戻し特約の要件 | |
契約時期 | 定めなし | 売買契約と同時 |
買戻し期限 | 制限なし | 最長10年(※1) |
買戻し価格 | 売買価格に10〜30%プラス | 売買価格+契約費用の合計を超えてはいけない |
対抗要件 | 第三者に対抗できない | 第三者に対抗できる(※2) |
(※1) 契約の際に買い戻し期限について定めがない場合は5年が期限となる
(※2)ただし買い戻し特約の要件を満たしておく必要がある
「買い戻し予約」は義務ではなく、あくまで予約なので契約時や買い戻し期限などの条件に定めがなく、買い戻し価格も売却時より高額になります。
一方の「買い戻し特約」は買い戻すことが決定しているので、条件がしっかりと定められ売却時と同等の価格で買い戻すことが可能です。ただし金額が払えなくなったなどの理由で、後から買い戻しをキャンセルをすると、賃貸借契約自体が解除となるため注意しましょう。
修繕費の負担トラブル
修繕費の負担トラブルもありがちです。
一般的に建物や設備の修繕費は、リースバックの契約より前に関しては借主が負担することになります。さらにリースバック契約以降でも借主の過失によるものは借主負担となることが一般的です。
逆に貸主負担となるのは、リースバック契約以降の経年劣化によるものになります。たとえば、雨漏れやシロアリ被害、給排水管の劣化などがです。
ただし修繕費の費用負担はリースバック業者や契約内容によっても異なります。
リースバック業者が倒産した
リースバック業社が倒産すると、不動産は第三者に売却される可能性が高いです。
所有者が変わっても契約内容は引き継がれますが、更新のタイミングで契約条件が変更されトラブルに発展するケースもあります。
たとえば、契約更新を拒否されたり、賃料の値上げを求められたりなど、借主としては非常に困惑してしまうでしょう。
そのようなトラブルに遭わないためにも、リースバック業社選びは非常に重要です。契約内容はもちろんのこと、経営状況も必ず確認するようにしましょう。
相続人と後々揉めてしまった
不動産を所有していると、将来子供や孫などが相続することが一般的です。
しかし、リースバック契約によって不動産の所有権を失うと相続させることはできません。
もちろん自身の所有する不動産をどうするかは個人の自由でしょう。しかし後々揉めないために相続人にも相談しておくべきです。
リースバックで後悔しないためのポイント
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無理のない家賃かを確認する
家賃は確実に支払いができる金額かを生活費を含めてシミュレーションしましょう。
リースバックの家賃は相場の家賃と比較して高くなりがちなので、万が一返済ができなくなると契約解除となる恐れがあります。
家賃は売却価格によって決まるので、家賃が高い場合は売却価格を安くするなど、状況に応じて交渉すると良いでしょう。
契約内容をしっかり確認する
言わずもがなですが、契約内容はしっかりと確認しましょう。
契約形態は特に重要で入居期間に定めのない普通借家契約を選んでおくべきです。以下表で主な確認項目と内容をまとめているので参考にして頂ければと思います。
確認項目 | 確認内容 |
売却価格・家賃 | 売却価格は相場とかけ離れすぎていないか?無理のない家賃か? |
契約形態 | 期間の定めのある定期借家契約か、期間の定めのない普通借家契約か? |
契約期間 | 定期借家契約の場合、契約期間は短くないか? |
修繕費の負担割合 | 全額借主負担になっていないか?なっていれば交渉を。 |
買い戻し要件 | 買い戻し予約か、買い戻し特約か? |
複数社比較検討し、安心できる業者を選ぶ
すでに解説したとおり、リースバック業者の倒産は大きなリスクとなります。理由は所有者が変わることによって、退去を求められる可能性があるからです。
そのようなリスクを回避するためにもリースバック業者選びは重要です。
まとめ
以上、リースバックの具体的なトラブル事例と後悔しないためのポイントを解説致しました。
トラブル事例 |
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後悔しないためのポイント |
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この記事を読んで、リースバックの理解が深まったと感じて頂けたら嬉しく思います。最後までご覧頂き、ありがとうございました。