マンションの修繕積立金は適正か?【将来負担増の目安もわかりやすく解説】

大規模修繕の画像

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  • 修繕積立金が安いマンションはお得なの?
  • 検討しているマンションの長期修繕計画が適正かを知りたい
  • マンションを検討しているけど何に注意したらいいの?

 

国交省による全国1,688の管理組合に対するアンケート調査の結果によると、約35%のマンションの修繕積立金が不足しているという実態があります。

さらに32%は不明であることから、それ以上の管理組合が財政難に陥っていると言えます。

あなたが今、購入を検討している中古マンションの修繕積立金は適正ですか?また不足はありませんか?

選択を誤ると将来、修繕積立金の大幅アップや一時金の徴収で、予定外の出費に悩ませられることになります。

この記事では修繕積立金の適正額と将来の負担増の目安をわかりやすく解説しています

最後まで読んで頂くことで、修繕積立金で後悔しないマンションの選び方がわかるようになります。

結論、下記の表を元に計算することで目安と将来の負担額を予測することができます。

階数/建築延床面積 平均値 事例の 3分の 2 が包含される幅
【15階未満】 5,000 ㎡未満 218 円/㎡・月 165 円~250 円/㎡・月
5,000~10,000 ㎡ 202 円/㎡・月 140 円~265 円/㎡・月
10,000 ㎡以上 178 円/㎡・月 135 円~220 円/㎡・月
【20 階以上】 206 円/㎡・月 170 円~245 円/㎡・月

出典:マンションの修繕積立金に関するガイドライン-国土交通省

 

修繕積立金が不足するとどんな問題がある?

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最悪のケースになるとマンションの管理や修繕ができず、建物の劣化が進行します

結果的に売却すらことすら難しく、新しい住人も入らなくなるため、修繕積立金はますます枯渇していきます。

そうならないために長期修繕計画をもとに徴収金額を積み立てておくのですが、滞納者が多かったり、長期修繕計画が甘かったり、当初の設定金額が低かったりすると早々に足りなくなり、値上がりは必須です。

最近は段階的に徴収金額を増額する「段階増額積立方式」を採用するマンションが多いため、値上がりは想定内ではありますが一万円以上値上がりしたり、短期間で何度も見直しをせざるを得ないケースも実在します。

さらに足りないと一時金の徴収や金融機関から借入をしないといけない場合もあります。

全てマンションの住民が負担しなければならないので、修繕積立金の値上がりを考慮せずに安いという理由で決めてしまうと、支払い計画が狂ってしまうので下調べは入念に行いましょう

中古マンション購入の注意点5選【潜在的なリスクを現役の宅建士が解説!】

修繕積立金の状況を確認するには?

確認のイメージ画像

不動産仲介会社を通じて、対象の管理組合から「重要事項に関わる調査報告書」を取得することで積立金額を確認をすることができます。

併せて滞納額や大規模修繕工事の予定、値上げの予定なども必ず確認するようにしましょう。

特に滞納額については滞納者が多いと、計画通りの修繕や管理が行えない要因となるので重要確認ポイントです

また区分所有法7条1項、8条によると「区分所有者が規約・集会決議に基づいて他の区分所有者に対して有する債権は特定承継人に対しても行うことができる」と定められています。

つまり売主が滞納していた修繕積立金や管理費は、買主に引き継がれることになりますので要注意です。

売主が滞納していた修繕積立金や管理費は、買主に引き継がれる。

 

修繕積立金は適正か?

考えるイメージ画像

修繕積立金が適正かの判断は、マンション管理士などのプロに見てもらうことがベストです。

しかし、費用も時間もかかってしまうため、実際に行動に移す方は少ないでしょう。

そこでもっと簡単に判断するために、平成23年4月に国交省が発表した「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を参照する方法があります。

下記の表をもとに対象マンションの条件を当てはめると、簡易的ですが修繕積立金の目安を計算することができます

階数/建築延床面積 平均値 事例の 3分の 2 が包含される幅
【15階未満】 5,000 ㎡未満 218 円/㎡・月 165 円~250 円/㎡・月
5,000~10,000 ㎡ 202 円/㎡・月 140 円~265 円/㎡・月
10,000 ㎡以上 178 円/㎡・月 135 円~220 円/㎡・月
【20 階以上】 206 円/㎡・月 170 円~245 円/㎡・月

出典:マンションの修繕積立金に関するガイドライン-国土交通省

 

ガイドラインの目安と長期修繕計画を比較して適正か計算をしてみる

例えば、築12年、地上10階建て、延床面積5600㎡(80戸)、専有面積70㎡の建物として計算してみましょう。

202円(ガイドライン平均値) × 70㎡ = 14,140円/月額

上記の例だと月額14,140円が目安だと判断ができます。

しかし、これは修繕積立金を毎月々均等に徴収した場合の「均等積立方式」をもとに作られた計算式で、実際は「段階積立方式」を採用しているマンションが多数です。

ほとんどの新築マンションは分譲会社が売りやすい条件にするために、下記表のように初期の修繕積立金が安く設定されています。

修繕積立計画例(築12年、地上10階建て、延床面積5600㎡、専有面積70㎡のマンション)
住戸 修繕積立基金 修繕積立金(月額)
1〜5年 6〜10年 11〜15年 16〜20年 21〜25年 26〜30年
〇〇号室 180000 6000 9000 12000 15000 18000 21000

 

上記のような分譲事業者が作成した「修繕積立金計画」を基に、30年間の修繕積立金(修繕積立基金や一時金含む)の合計額を算出し、月額に割り戻します。

504万円(表の合計) ÷ 360ヶ月 = 14,000円

先程目安として計算した14,140円と近しい額であることからガイドラインにある程度沿って作成されたと言えると思います。

しかし、たかだか140円の差であっても30年間で50,400円、80世帯あれば4,032,000円の差が生じることは意識しておきましょう。

 

将来負担増の目安を予測する

計算のイメージ画像

仮に修繕積立計画書がなくても、これまでの修繕積立金をもとに将来の負担額を予測することができます

例えば下記表のように築12年の中古マンションで13年以降の修繕積立金が未定だったとします。

修繕積立金(月額)
1〜5年 6〜10年 10〜12年 13年以降
6,000円 9,000円 12,000円 未定

 

まずはガイドラインに沿って30年間に必要な一世帯あたりの積立金額を算出します。

202円(ガイドライン平均値) × 70㎡ × 360ヶ月= 5,090,400円/30年間・・・①

次に築12年までの間に積み立てられている金額を算出します。

6,000円 × 12ヶ月 × 5年間 = 360,000円

9,000円 × 12ヶ月 × 5年間 = 540,000円

12,000円 × 12ヶ月 × 2年間 = 288,000円

360,000円 + 540,000円 + 288,000円 = 1,188,000円・・・②

さらにガイドラインに沿って計算した30年間の目安の金額①から築12年間の合計の積み立て金額②を差し引きます。

① − ② = 30,902,400円(残り18年間で必要な修繕積立金の目安)・・・③

最後に、残り18年間で必要な修繕積立金の目安③を残りの月数(12ヶ月×18年)で割り戻します。

③ ÷ 216ヶ月(12ヶ月×18年) = 約18,067円

13年目からの18年間は均等割の計算ですが平均で約18,067円の金額が将来かかってくると予測することができます。

 

まとめ

以上、修繕積立金の適正額と将来負担額を予測する方法を解説させて頂きました。

ガイドラインを参照することで簡単に修繕積立金の適正額と将来の負担額を計算できるので、検討しているマンションがあれば是非試して頂ければと思います。

ただし、マンションの設備や修繕履歴、滞納状況などによって修繕積立金は大きく変わってくるため、一概に正しいということではありません

正確に判断するためには管理組合から取得した書類を不動産のプロの目で見てもらうことです。

それでも知識として持っておくだけでも、マンション選びで失敗するリスクを減らすことができます。

以上、最後までご覧頂き、ありがとうございました。

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