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モデルハウスを見学する方から「〇〇会社さんの坪単価はいくらですか?」と高い確率で質問をされます。
実はこの質問、あまりおすすめしません。
理由は利益が通常より上乗せされた高い坪単価で契約することになる可能性がある為です。
この記事では「多くの人が騙される坪単価のワナ」を解説しています。
Contents |
1. 坪単価とは?
坪単価とは建物本体工事費を建坪で割った単価のことを言います。
たとえば、建物本体工事費2,800万円・建坪40坪の場合、坪単価は70万円となります。
ちなみに建物本体工事費とはあくまで建物のみの金額です。水道・電気・ガス、空調、インテリアなどの付帯工事費や登記費用などの諸経費は含まれていません。
2. 建坪が大きくなると坪単価は安くなる
冷静に考えればわかることなのですが坪単価は建坪が大きくなるほど安くなります。
理由は30坪の建物でも50坪の建物でも、固定設備の数量はほとんど変わらないからです。
数量が変わらないなら建坪が大きくなっても固定設備の金額は大きく変わりません。
それにもかかわらず坪単価が一律というのは疑問です。
3. 坪単価のワナに騙されて搾取されない方法5選
3-1. 坪単価の質問をしない
坪単価の質問をしてはいけない理由は営業マンが回答した坪単価が基準になってしまうからです。
実は営業マンによって坪単価の回答は異なります。
営業マンに坪単価の質問をするとの下記の3パターンの回答のタイプに分かれます。
回答が分かれる理由はそれぞれお客様にアプローチする営業手法が異なるからです。
悪い言い方をすると契約見込みとなるお客様の線引きが営業マンによって異なるということです。
1.の場合は後から金額が不足して追加費用が発生するなど別の問題の可能性を秘めてますが、この記事で言う問題は2.と3.の場合です。
結論、住宅メーカーの利益になるか、見せかけの値引きに利用されます。
もちろん定価を提示してくれる正直な営業マンもいるかもしれませんが、実際は多くはありません。
なぜなら営業マンは契約棟数の他に利益目標が設定されており、また、高い利益は社内でも評価されるポイントだからです。
3-2. 坪単価で安い高いを判断しない
少し脱線しますが建坪には2種類の表示単位があるのをご存知でしょうか。
これに答えられないと坪単価で騙される可能性が高いです。
答えは延床面積と施工床面積です。
延床面積 | 床材が貼っている部分の面積のことで、住宅で一般的に用いられる面積の単位 |
施工床面積 | 延床面積にバルコニーや玄関ポーチ、吹き抜けの面積を加えた単位で業界用語みたいなもの |
当然面積を算出する範囲が広い施工床面積の方が大きい建坪になります。
延床面積は40坪でも施工床面積は44坪位になるイメージです。
一見安く見えるので自社の間取りの方が大きく、かつ坪単価が安いと見せかけることができます。
しかしこの違いを知らずに坪単価で住宅メーカーを比較してしまうと、判断を誤ってしまうので可能性が高いです。
もし営業マンが施工床面積という言葉を用いた際は、何か意味があると思った方がいいでしょう。
3-3. 同価格帯の住宅メーカーを競合させる
適正な金額を判断するためのポイントは住宅メーカーを複数社競合させることです。
ただし、ローコストメーカーと大手メーカーといった価格差のある住宅会社を競合させても意味はありません。
同価格帯の住宅メーカーを競合させましょう。
営業マンの立場からすると競合他社の存在は無視できないため、極端に高い見積もりが出しづらくなるからです。
また、ある程度の値引きも期待できるようになります。
しかし営業マンによっては、最初にあえて利益を上乗せした高い見積もりを出しておき、最終的に本来の値引き分と上乗せした利益分を合わせて大値引きしたかのように見せかけるパターンもあるので要注意です。
注文住宅で大値引きを狙う方法5選【元大手住宅メーカー社員がコツを徹底解説!】 |
3-4. 年収を少なめに申告する
営業マンと打ち合わせをすると必ず年収のヒアリングをされます。その際に本当の年収より1〜2割ほど低い年収を答えようにしましょう。
ただし営業マンによっては契約見込みが低いと判断され、そのままフェードアウトされてしまう可能性もあります。
そのため営業マンに頑張ってもらうため、契約をする意思があることを示す必要があります。
要はニンジンをぶら下げて頑張ってもらうのです。もちろん、契約をする意思にウソはいけません。
3-5. 良い営業マンを選ぶ
注文住宅の良し悪しは営業マンによって大きく左右されます。
特に金額面は担当する営業マンによって数百万円も変わることがあります。
この記事でいう良い営業マンとは、お客様ファーストで考えられる人です。
入社5年目くらいの中堅の営業マンに比較的多い印象です。ただし、売れている営業マンというのが前提です。
若手だと知識不足により目先の事でいっぱいいっぱいで自分ファーストに、店長クラスになると忙しく、会社から高い利益を求めらる立場にある為会社ファーストになりがちです。
入社5年目くらいの営業マンであれば十分な知識や経験もあり、社内のしがらみも少ないのでお客様ファーストの対応が期待できます。また、売れているということは社内外での信頼度が高いため融通がきいたり、周囲を巻き込む能力に長けている為です。
4. まとめ
以上、坪単価に騙されて搾取されない方法を5選について解説させて頂きました。
坪単価は分かりやすい指標ですが、あいまいな表現な為、坪単価を基準に考えてしまうと判断を誤ったり、住宅メーカーに搾取されて気づかずに高い金額を支払うことになりかねません。
このブログを読んで頂き、お金で損をする方が少しでもいなくなれば嬉しく思います。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。