中古マンション購入の注意点5選【潜在的なリスクを宅建士が解説!】

マンションの画像

  • 何を基準に中古マンションを選んでいいかわからない
  • 築20年のマンションを検討中だけどどんなリスクがあるの?
  • 管理費や修繕積立金は値上がりするって本当?タイミングは?

 

中古マンションを検討している方で上記のような悩みを抱いている方は多いでしょう。一般的に価格や間取り・築年数などの表面的な部分でしか良し悪しを判断できる基準がないため、当然です。

最終的に勢いと営業トークに後押しされ物件を購入してしまうと、後から予想外の出費が発生し後悔することになります。

この記事では、現役の宅建士が中古マンション購入の際に知っておくべき潜在的なリスクについて5つのポイントにまとめて解説しています

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読んで頂くことで、リスクの回避方法がわかり、購入してからの後悔を防ぐことができます。

Contents

    1. 中古マンション購入の注意点5選
      1. 修繕積立金の状況を確認する
      2. 管理状況を確認する
      3. 地盤が弱い地域は選ばない
      4. リフォームを想定しておく
      5. リセールバリューを意識する
    2. まとめ

中古マンション購入の注意点5選

修繕積立金の状況を確認する

積立金のイメージ画像

修繕積立金とはマンションの外壁や屋上、エントランスホールなどの共有部分の維持や修繕を行う大規模改修工事に備え、各世帯から一定額を徴収し、積み立てておくお金のことです。

大規模改修工事は長期修繕計画に基づき、10〜15年の間に一度行われます。(国交省のガイドラインは12年に一度)

修繕積立金の徴収方式には、段階的に徴収金額を増額する「段階増額積立方式」と長期修繕計画の間、均等に徴収する「均等積立方式」の2種類の方法があり、一般的には前者が採用されるケースが多いです。

理由はマンション分譲会社が販売しやすいように最初の修繕積立金額を安く設定できるからです。

しかし、当初の設定額が低いと将来的に足りなくなるため、1回目の大規模修繕工事が行われた後は、高い確率で値上がりします。値上がり額は様々で中には一万円以上値上がりしたケースもあるので注意が必要です。

また、マンションの築年数が古くなるほど劣化が進みますので、修繕積立金は高くなります。

そのため、現状の積立額に不足はないか?長期修繕計画は適正か?将来の値上がり目安は?を必ず確認しておきましょう

マンション購入前に要確認!【修繕積立金は適正か?将来負担増の目安は?】

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修繕積立金が安いからお得と勘違いして購入すると、修繕積立金の上昇に伴い資金計画が狂ってくる可能性があるので目先の金額だけで判断することは絶対にやめましょう。

管理状況を確認する

管理のイメージ画像

修繕積立金の他にマンションを維持・管理する上で必要な費用が「管理費」です。管理費は共有部分の清掃や照明器具の交換、管理組合の運営にまかなわれます。

購入を検討する際は、マンション内の管理がしっかりと行き届いているかが重要なポイントとなります

ぱっと見で外壁のタイルが剥がれかけていたり、コンクリートのヒビから鉄筋のサビが染み出しているなどは問題ありです。内見の際にも共有廊下やエントランス、ゴミ集積所などの清掃状況を確認することで管理体制がある程度わかります。他にもポストが整理整頓されていなかったり、掲示板に古い情報の掲示物が乱雑に貼られたりしてないかなども確認事項です。

また、下記の表は表面的にはわからない内部の情報を確認することができるので不動産会社を通して対象のマンションの管理組合から取得し、事前に確認することをおすすめします。

確認ポイント
管理に関わる重要事項説明報告書
  • 管理費・修繕積立金の滞納状況
  • 管理組合が金融機関からの借入の有無と借入額
  • 修繕積立金の積立状況
  • 大規模修繕計画及び、実施状況
  • 耐震診断の内容
管理規約
  • ペット飼育に関して
  • 占有部分のリフォーム行う場合の承認方法
管理組合の議事録
  • 過去のトラブルや課題
  • 上記に対してどのように対応したか
  • 議題の背景や経緯

 

特に議事録はマンションが抱える課題やその背景、またどのように対応をしているかなどの管理運営の本質的な部分まで読み取ることができる重要書類です

ただし、こうした内部情報は第三者に対して公開する義務はないため、あくまで任意となります。言い換えると、公開に応じるということは管理体制に自信を持っているという証でもあります。

地盤が弱い地域は選ばない

地盤のイメージ画像

日本に住む以上、地震の被害を受けずに生活することは不可能と言っていいでしょう。10年以上経過した今でも東日本大震災は記憶に新しく、住まいに耐震性能を求める声は多いと思います。

建物の耐震性能を判断する基準としては従来の旧耐震基準新耐震基準に分かれます。

旧耐震基準とは1981(昭和56)年5月31日までの建築確認において適用されていた基準のことで、震度5強程度の揺れでも建物が倒壊せず、破損したとしても補修することで生活が可能な構造基準として設定されています。

一方、現行の新耐震基準は、震度5強程度の中規模地震に対して、ほとんど損傷を生じず、震度6強から震度7程度の大規模地震に対しては、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じないことを目標にしています。

 

新耐震基準の建物の方がより安全であることは間違いなく、旧耐震基準の建物を購入する際は十分検討する必要があります。

しかし、耐震性能がいくら高かろうが地盤が軟弱だとあまり効果があるとは言えません。このことは東日本大震災の被害データでも明らかで、地盤や地質、地形によって被害の差が大きく異なりました。

揺れの規模が小さい場合、新耐震と旧耐震では被害に大きな差は生じていないが、揺れが大きい場合は旧耐震の被害が相対的に大きくなり、その差は有意性が明確になる。ただし、地盤によっては揺れの程度と関係なく新耐震マンションにも大きな被害が出ており、軟弱な地盤の上に建てられれば新耐震マンションであっても安全性が高いとは言えない。

引用:東日本大震災 宮城県マンション 被害状況報告-株式会社東京カンテイ

 

以上のことから、中古マンションなどを検討する際は耐震基準はもちろんのこと、地盤や地質についてもしっかりと調べるべきです。

地盤や地質、地形などは下記のポータルサイトで確認することができます。

引用:地盤サポートマップ-ジャパンホームシールド株式会社

 

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他にも、管理に関わる重要事項説明報告書を該当マンションの管理組合から取得することで、過去の修繕内容や耐震診断などから地震に対する強さをある程度判断できるので必ず確認をしましょう。

リフォームを想定しておく

浴室リフォームの画像

築浅はともかく築20年近いマンションを購入する場合はリフォームを視野に入れておきましょう。給湯器やエアコンなどは10〜15年、水回り設備は20〜25年位で交換が必要になるからです。

特に水回り設備は数百万円の出費となりますので築年数が20年近いマンションを買う場合は、予め工務店やリフォーム会社に見積もり依頼をして予算を把握しておきましょう

他にも配管などが劣化して水漏れが起こるケースなどもあるので住宅診断(ホームインスペクション)を行い、売主と買主との間で責任の所在を明確にしておくべきです。

また、リフォームローンは住宅ローンに組み込むことは基本できず、比較的金利も高いため、金融機関に事前打診しておくことをおすすめします。

リセールバリューを意識する

リセールのイメージ画像

リセールバリューとは取得した財産を売却した時の価値のことを言います。

不動産を購入する理由は人それぞれですが特にマンションを購入する場合は出口戦略が重要となります。一生そのマンションで暮らすことを前提に購入したとしても必ず売却する時のことは考えておくべきです。

理由は下記の2つです。

  • マンションは長期的なリスクがある。
  • ライフステージと共に状況が変わる可能性がある。

 

マンションは長期的なリスクがある

1番のリスクは修繕積立金の不足です。

マンションは10〜15年のスパンで大規模修繕工事が行われるため、修繕積立金を積み立てておくのですが新築時から段階的に金額が上昇する仕組みとなっています。そうすると中には滞納する方が出たり、退去する方が出たりする場合があります。

結果的に修繕積立金が不足し大規模修繕工事が行えなくなると、劣化が進みマンションの価値が下がってしまうリスクにつながります

ライフステージと共に状況が変わる可能性がある

将来のことは誰にもわかりませんが、想定しておいて損することはありません。たとえば実家を継ぐ、手狭になった、離婚、リストラなどライフステージと共に状況が変わる可能性があるからです。

しかし、いざ住み替えをしようとしてもリセールバリューが低いと身動きが取れなくなる場合があります

例えばローン3,000万円で購入したマンションを10年後1,000万円返済した時点で売却しようとしたした際に、価値が1,500万円まで下がっていたと想定した場合、売却をしても500万円の借金だけが残ることになり、住み替え先のローンを組めなくなる可能性があります。

この状況になることを防ぐにはリセールバリューが高い物件を買うことです。

リセールバリューが高い物件の特徴を下記にまとめてみました。

大都市へのアクセスが良好 オフィス街や商業施設が充実してる都心にアクセスが良いほど、人気を集めます。
駅近 特に徒歩5分以下だと市場価値が下がりにくい傾向にあります。
再開発エリアや新駅の周辺 注目度が高くない時点で購入しておくと、開発後・開業後にリセーリバリューが高くなります。
タワーマンション 地域のランドマークとなるような物件は人気が高く、比較的売却がしやすいとされています。
大規模マンション 総戸数300戸以上など、物件規模が大きくなるほど共用施設が充実している場合が多いので幅広い層から人気を得られます。
地盤が安定している 東日本大震災でなどで被害が少なかったエリアの物件は根強い人気があります。

まとめ

以上、中古マンション購入の注意点5選を解説させて頂きました。

中古マンションは価格や間取り・築年数などの表面的な部分だけで判断してしまうと後悔することになります。

大切なことはその物件の潜在的なリスクをしっかりと確認し、将来のライフスタイルの変化に対応できるように出口戦略を考えて物件を選ぶことです

この記事を読んで頂いた誰かのお役に立てたなら嬉しく思います。最後までご覧頂き、ありがとうございました。

 

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