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一般的に2階にお風呂がある家は少数派だと思います。おそらくこれまでのライフスタイルや老後の生活を想定して1階にお風呂を希望する方が多いのではないでしょうか?
しかし、その理由で2階お風呂を検討しないのはもったいないです。
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Contents |
1. 2階お風呂のメリット
1-1. 家事導線が効率的になる
まず前提条件として、お風呂に隣接している洗面室に洗濯機が置いてある上で解説します。
1階にお風呂がある(洗濯機がある)場合、バルコニーに洗濯物を干すために階段を上り下りしなければならず動線が長くなります。洗濯物が多いと複数回にもなり、また重い洗濯物を持ちながら階段を上るのは大変です。
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しかしお風呂(洗濯機)が2階にあれば、洗濯する→干す→取り込む→収納する一連の動線をコンパクトにすることができ、家事の時短になります。
さらに洗面室に物干しスペースを設けて、家族全員分の衣服を収納できるファミリークロークを隣接させれば、より効率的な間取りにすることも可能です。
1-2. 1階を広く使うことができる
一般的に1階にはLDKや和室、玄関などのスペースが必要なため、ボリュームが大きくなりがちです。さらに浴室・洗面で4〜5畳くらいスペースが必要なため敷地や予算の関係上、リビングの広さを諦めてしまう方も少なくないはずです。
その場合、2階にお風呂を設けることで1階に余裕が生まれ、選択肢を増やすことが可能になります。たとえば空いたスペースでリビングを広くしたり、収納を設けたり、書斎スペースをつくったりといったことです。
2階は6畳くらいの部屋が3つと収納、トイレがあればある程度事足りるので、お風呂や洗面を設けてもスペース的に問題にはならいでしょう。
1-3. プライベートを守れる
お風呂に大きい窓を希望する方は一定数いらっしゃいます。しかしプライバシーやセキュリティの問題上、断念することが多いです。
その点2階お風呂であれば、開放的な浴室空間を作ることができます。もちろん十分配慮する必要はありますが、お風呂にこだわりたい方は検討する価値はありそうです。
またお風呂や洗面は、他人に見られたくない場所だと思うので、急な来客があっても慌てることがなくなります。
2. 2階お風呂のデメリット
2-1. 将来の介護面での不安
一番のネックポイントは「将来足腰が悪くなった時にどうするか?」です。もちろん数十年先のことはわかりませんが、対応方法は考えておくべきです。
ホームエレベーターを設けられれば解消できそうですが、スペースの確保や2〜300万円のコストがかかるため現実的ではありません。
最も現実的なのは介護用の階段昇降機ではないでしょうか。
また完全に割り切って、マンションへの住み替えも視野に入れておくべきでしょう。
2-2. 給排水工事が割高
2階に水回りへのの配管工事が必要なため、1階お風呂と比べ給排水工事費が割高になります。また給湯器なども通常のタイプと異なるので、全体で20万円くらいのコストアップは覚悟しておきましょう。
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2-3. 2階は狭くなりがち
お風呂や洗面室などの水回りで2階のスペースが取られてしまうため、部屋を広くしたり、部屋数を増やすことは難しいです。
もちろんできないわけではないのですが、2階の面積に応じて1階の面積が決まるので1階が必要以上に広くなり過ぎてしまいます。
またコストにも大きく関わってくるので、現実的に部屋の広さは限られてきます。
2-4. 売却がしにくい
2階にお風呂のある間取りは、少し特殊なので売れにくい傾向があります。やはり1階お風呂のある生活に馴染みがある人のほうが圧倒的に多いからです。
とは言っても場所や築年数、価格などのポイントの方が重要な場合もあるので一概に売れないということではありません。
3. その他気になること
3-1. 水圧の問題
オール電化の場合は、給湯器選びにも注意しましょう。
通常のエコキュートだと人によっては水圧が弱いと感じる場合があるので、高圧給湯タイプをおすすめします。
3-2. 水漏れの不安
水漏れについては、限りなくリスクは低いと言っていいです。ただし定期点検や必要あればメンテナンスは行う必要はあるでしょう。
3-3. 排水音やシャワー音がうるさい?
お風呂やシャワーのお湯は、パイプスペースを通して下階に流します。その際の排水音は気になるところですが、結論ほとんど気になりません。
完全に音がしないわけではないですが、排水のパイプには消音材が巻かれているため音が軽減されます。ただし住宅メーカーによって、この仕様は異なるので必ず確認しましょう。
また浴室と寝室と隣り合わせないようにクローゼットを挟むなど、間取りの配慮は必要です。
3-4. 1階の天井が低くなる?
パイプスペースを確保するために一部下り天井になる可能性があります。
住宅メーカーの設計基準にもよるので、必ず設計段階で確認しておきましょう。
3-5. いっそのことリビングも2階がいい?
リビング自体を2階にするのも一つの選択肢です。ただし生活スタイルが変わってくるため、興味がある方は下記の記事をご覧ください。
2階リビングはどんな人に向いている?【メリット・デメリットを詳しく解説】
4. どんな人におすすめか?
結論、以下の内容が当てはまる方は、2階お風呂の間取りがおすすめです。
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5. まとめ
以上、2階にお風呂がある生活スタイルについてメリット・デメリットを交えて解説させて頂きました。
この記事をご覧頂いた方は、注文住宅の雑誌を読んで2階お風呂に興味を持ったり、既に住宅メーカーから2階お風呂の間取りを提案されて悩んでいるのではないかと思います。
そんな方の悩み解決に少しでも貢献できたら嬉しく思います。最後までご覧頂き、ありがとうございました。