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老後は年金を頼りに生活を考えている方は多いでしょう。
しかし「2000万円問題」が話題になったとおり、生活費はもちろんのこと通院代や介護費などの老後資金に不安を感じている方は少なくありません。
そんな中、老後資金を確保する手段として注目を集めているリバースモーゲージ。巷では「やばい」や「罠がある」とも言われていますが、実際はどうなのでしょうか?
この記事では、リバースモーゲージの特徴について詳しく解説しています。
Contents |
リバースモーゲージとは
リバースモーゲージは、自宅を担保として金融機関等から担保の資産価値に応じて融資を受けることができるサービスのことをいいます。
自宅を手放すことなく資金を確保することできるのが大きな特徴です。
定年を迎え老後資金に不安を抱える世帯や老後も住み続けるマイホームのリフォーム資金捻出を検討している方など、年配者向けの商品といえるでしょう。
ローンの一種なので返済は必要となりますが、一般的な住宅ローンとは異なり基本的に返済は利息のみとなります。元金は借入人が死亡した際に担保となっていた不動産を処分し、返済する仕組みとなっています。
利用条件
リバースモーゲージの利用条件は金融機関によって異なりますが、以下の条件が一般的です。
項目 | 条件 |
資金使途 | 制限される場合あり(医療費、施設入所費、リフォーム費など) |
対象者 | 個人のみ |
対象者の年齢 | 制限あり(60歳以上など) |
対象者の収入 | 制限あり |
保証人 | 必要 |
想定相続人の同意 | 必要 |
資金の受け取り方法
資金の受け取り方法は「年金方式」「一括方式」「極度額方式」の3つのタイプがあります。人それぞれ資金の使途は異なるため、自分たちにあったタイプを選ぶと良いでしょう。
受け取り方法タイプ | 内容 |
年金方式 | 一定期間、毎月定額を借りる方式。 年金のように毎月決まった金額が振り込まれるので、融資を生活費として使いたい場合に向いている |
一括方式 | 契約時に融資限度額を一括して借り入れる |
極度額方式 | 融資限度額までなら、必要に応じて自由に借り入れが可能 |
返済方法
返済方法は「月々利息を返済する方法」と「元金と利息を合わせて返済する方法」の2つがあり、前者が一般的です。
返済タイプ | 内容 |
月々利息を返済する方法 | 利息のみを月々返済し、借入人の死亡後に相続人が自宅を売却して、元金を一括で返済する |
元金と利息を合わせて返済する方法 | 借入人の死亡後に相続人が自宅を売却して、元金と利息を一括して返済する |
リバースモーゲージのメリット
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自宅に住み続けながら資金調達ができる
自宅を手放すことなく、資金の借入ができる点においては大きなメリットといえるでしょう。不動産を活用した資金調達方法にはいくつかありますが、一般的な不動産売買の場合自宅を売却し手放さなければなりません。
もちろん借入者が亡くなった場合には、担保となっていた自宅を処分し、借入金を返済する必要はあります。
しかし仮に夫婦二人で住んでいた場合、自宅を処分すると残された配偶者は路頭に迷ってしまうことになります。実はリバースモーゲージには、配偶者に契約内容を引き継げるタイプの商品もあるのでそちらを選ぶと良いでしょう。
月々の返済負担が少ない
リバースモーゲージは毎月の支払いが利息のみなので、生活費を圧迫することなく返済することができます。特に老後は通院費や介護費、自宅のリフォーム費など多額のお金がかかることもあるので安心です。
また人によっては老後も住宅ローンが残っている方もいるので、リバースモーゲージを利用して残債を完済し、負担を減らす方法も検討するのもありでしょう。
元金の返済を死亡後にすることができる
一般的な住宅ローンは、毎月元金+利息を支払う必要があります。特に定年後は負担がより大きく、年金だけでは生活費が足りないこともあるでしょう。
その点リースバックは、元金は死亡後に担保となっていた自宅を処分し、返済できるので支払いの負担を大きく軽減することができます。
リバースモーゲージがやばいと言われる理由(リスク・デメリット)
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長生きするほど、融資限度額に達してしまうリスク
本来長生きすることは、良いことでしょう。しかしリバースモーゲージに限っては長生きすることで融資額が限度額に達してしまい、資金調達ができなくなってしまう事態が起こりえます。
また金融機関によっては契約期間が定められることがあり、期限を迎えた場合には存命中であっても、返済をしなければなりません。
金利の変動リスク
リバースモーゲージは変動金利が設定されることが一般的で、当然金利は変動するリスクがあります。
金利が上昇すれば利息が増えるということなので、毎月の支払額も増えることになります。毎月ギリギリで返済計画を立てていると、家計を圧迫することになるので注意が必要です。
不動産価格の下落によるリスク
リバースモーゲージの融資額は、担保となる自宅の評価額で決定されます。そして評価額は融資の際だけではなく、毎年見直しが行われる点には注意しなければなりません。もし不動産価格の下落によって評価額が減少すると、融資限度額が縮小される可能性があるからです。
融資限度額が縮小され、想定していた資金を受け取ることができなくなっては生活に関わります。
また既に融資を受けた額が不動産価格を超えてしまうとその超過した融資額を返済しなければなりません。
相続人が残債を負担しなければならないリスク
リバースモーゲージの融資額は、借入者が亡くなった際に自宅を処分して一括返済することが一般的です。しかし不動産価格の下落などで担保となる自宅の評価額が下落すると、返済に不足が生じる場合があります。
この不足分となる残債については支払いは契約形態で異なるため、注意が必要です。
リバースモーゲージには、「リコース型」と「ノンリコース型」があり以下表のとおりの内容となっています。
金利 | 内容 | |
リコース型 | 低め | 残債を相続人が負担しなければならない |
ノンリコース型 | 高め | 残債を返済する必要がない |
「リコース型」は、残債を相続人が負担しなければならないため金利は低め、一方の「ノンリコース型」は、相続人が借入額の残債を返済する必要がないため金利は高めに設定されます。
リバースモーゲージがおすすめの人
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老後資金に不安がある人
老後資金2000万円問題が話題になったように、老後に不安を抱く方は多いでしょう。さらに日本経済の低迷や物価高など最近良いニュースを聞きません。
老後は国が全てを面倒見てくれるわけではないため、個人個人で対策をしておくことも大切でしょう。
相続人がいない、または自宅を処分したい人
リバースモーゲージで融資を受けるには、想定相続人の同意が必要とされています。同居している配偶者や子供がいる場合、借入人の死亡に伴い自宅が処分されることで住まいを失っては大変です。
相続人がいなければ残された人の心配をする必要がないため、判断しやすいでしょう。
また、事情があって自宅などの資産を処分しておきたいと考える方にも向いているといえます。
既存の住宅ローンを返済してしまいたい人
リバースモーゲージで既に契約している住宅ローンを一括返済することも可能です。
ただし、既存の住宅ローンの残債をリバースモーゲージの融資額で一括返済できるかがポイントとなりそうです。このあたりは、自宅の評価額によって決まるのでしっかりと検証しましょう。
リバースモーゲージ以外の資金調達方法
不動産売却
不動産売却は最もポピュラーな不動産を活用した資金調達方法ではないでしょうか。買主が見つかれば、自宅を売却した資金を得られるシンプルな仕組みとなっています
ただし、新たな住まい先を探さなければならない点や仲介手数料や税金などの諸費用が発生する点などがリバースモーゲージとの大きな違いです
リースバック
リースバックとは所有の自宅を売却し資金を得た後も、そのまま賃貸として自宅に住み続けられる不動産取引のことをいいます。
リバースモーゲージは融資に対し、リースバックは売却+賃貸といった仕組みになっています。
詳しい内容を知りたい方は以下の記事がおすすめです。
リースバックとリバースモーゲージを徹底比較!【どんな人に向いている?】
まとめ
以上、リバースモーゲージの特徴について詳しく解説致しました。
メリット | リスクやデメリット |
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リバースモーゲージがおすすめな人 |
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この記事を読んで頂き、少しでも参考になったと思って頂けたら幸いです。最後までご覧頂き、ありがとうございました。