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土地は一生に一度の高い買い物なので、絶対に失敗できません。
今土地購入を検討している方は、どうゆう基準で土地を選べばいいかわかりますか?また、これから何十年と生活することになる土地についてよく理解していますか?
不動産会社に紹介された土地を購入し、いざ建物の計画が始まると予想外の土地の工事費用がかかることはよくあります。
この記事は、失敗しない土地選びのポイントをまとめています。読んで頂くこと、土地に潜むリスクやどんな費用負担があるかを理解できます。
1. 失敗しない土地選びの注意ポイント20選
1-1. 日当たりは悪くないか
日当たりが悪いと明るさを確保するために間取りを工夫する必要があります。
たとえば、吹き抜けや2階リビングなどです。
決して吹き抜けや2階リビングが悪いことではないのですが日当たりを把握しておかないと自分達が思い描いていたイメージと異なる間取りになってしまう可能性があります。
1-2. 隣地や道路と高低差はないか
隣地と高低差がある土地の場合、雨水の流入を防ぐために土を盛ったり、土留工事が必要となります。
また、道路よりも土地が高い場合はスロープや階段を設けたり、土を削ったりしなければなりません。
土地の価格が安かったとしても、外構工事で費用がかかり相場より高くなってしまっては本末転倒です。
高低差のある土地などを検討する際は、住宅メーカーもセットで検討し外構見積もりを確認しておくことをおすすめします。
1-3. インフラは整っているか
分譲地などの場合は心配ありませんが、もともと農地だった土地などは敷地内に上下水道管やガス配管が引き込まれていません。
宅地に転用する場合は個人の費用負担で引き込み工事を行う必要があります。
基本60万円程でおさまりますが旗竿地の場合、建物への配管距離が長くなるため、追加で百万単位の費用がかかるので要注意です。
1-4. 境界杭の有無
基本的に土地には隣地との境目を定めるために境界杭が設置されています。
しかし、古い土地や田舎などは境界杭がなかったり、破損して位置の特定が難しい場合があります。
境界杭のない土地の売買は、後々隣地所有者と揉める可能性が高いのでおすすめしません。
境界を確定させるためには、土地家屋調査士に依頼して、役所調査や測量、隣接地所有者に立ち会いしてもらい境界確認書の取り交わしなどが必要だからです。
当然数十万から数百万円の費用も負担しなければなりません。
1-5. 接道要件を満たしているか
接道要件とは、建築基準法で定める「建物の敷地は幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」というルールのことです。
家を建てるためには、この接道要件を基本的にクリアしていないといけません。
しかし、建築基準法制定前に建てられた接道要件を満たしていない古い建物は数多く存在し、稀に中古物件として不動産情報サイトに掲載されている場合があります。
リフォームで住み続けることは可能ですが、建替えをすることはできないので要注意です。
1-6. セットバックの有無
セットバックとは接道要件定める4m以上の道路に接道していなかった場合、4mの幅員を確保するために土地の一部を道路として無償提供することです。
セットバックの対象物件の場合、測量や道路境界確定などを行わなければなりません。場合によっては側溝工事が必要になることもあります。
また土地の面積が小さくなるため、建築基準法で定められている容積率や建ぺい率もセットバック後の面積が基準になる為、注意が必要です。
1-7. 古いブロック塀などの有無
古いブロック塀などが残っている物件にも注意が必要です。
理由はブロック塀には建築基準法で高さや厚み、耐久力などの規定が設けられており、規定をクリアしていないと新築時に必要な確認申請が通らないからです。
規定をクリアするために、ブロック塀を低くカットしたり、控え壁を設けなければならない場合があります。
出典:一般社団法人 全国建築コンクリートブロック工業会 2-1. ブロック塀の主な規定
解体するにしても費用がかかってくるため、その分の費用を土地の値引き交渉に利用するのもありです。
隣地住人
意外と見落としがちな点ですが隣地住人に問題があると確実に後悔します。
騒音やゴミ屋敷、ペットの多頭飼いは現地に行けばある程度わかりますが隣地住人の人柄まではわかりません。
経験はないですが探偵に依頼してでも調査をする価値はあると考えています。
または不動産会社を通して、短時間のアポイントを取得してもらうのもありかなと思います。
アポイントの理由は「引っ越しを検討していて、周辺環境についてお聞きしたいと思いまして」みたいな感じです。
当然「変な人はいませんか」みたいな質問はNGです。ストレートな質問はせずに相手に多くしゃべってもらう質問を意識しましょう。
その時の印象で全てわかるわけではないですが得られる情報は多いです。
歩道の切り下げ工事は必要か
歩道に「縁石があって車で乗り入れができない土地」や「乗り入れできる位置が悪くて駐車が困難な土地」があります。
新たに乗り入れ位置を設ける場合は、全額個人の負担で「歩道の切り下げ工事(道路法第24条申請)」をすることが可能です。
乗り入れできる位置は一般住宅の場合、通常1箇所で幅4mと決められており、他にも条件があり、土地の利用形態や地域によって条件は変わります。
また、乗り入れ位置を変える際は元の位置を縁石にする復旧工事も別途必要です。
費用は工事内容にもよりますが30〜40万円ほどかかってきます。
ちなみにステップ板を置いているのをよく見かけますが本来は禁止されています。
土地の相場を把握しているか
土地の相場を知らないと高い価格で購入をすることになりかねません。
売主によっては、値引きされることを想定し上乗せして価格を設定している場合があるからです。
不動産サイトを毎日チェックしているような方は直感的に判断できるかもしれませんが、そうではない方が多いと思います。
でもご安心下さい。実は誰でも簡単にできる土地の相場の目安を調べる方法があります。
土地の相場はどうやって調べるの?【4つの方法をわかりやすく解説】
住宅メーカーに間取りの依頼をしているか
土地の購入を検討する際は同時に住宅メーカーに間取りと見積もりの依頼をすることをおすすめします。
土地には容積率や建ぺい率、斜線制限などの建築制限があり、設計士に間取りを書いてもらわないと自分たちが思い描く建物を実現できるかどうかを判断できないためです。
また、建物の価格がわからないと資金計画を立てる事が難しいのも理由の一つです。
予算に上限がない人は土地を購入してからゆっくり住宅メーカーを決めても良いですが多くの方は予算の上限は決まっています。
土地に予算をかけ過ぎて理想とかけ離れた建物になってしまっては後悔することになりかねません。
同時に検討していれば土地にかける予算を見直して他の土地を検討することも可能です。
コロコロと検討する土地を変えるのは不動産会社にもハウスメーカーにも負担がかかってしまうため、自分たちの予算の上限から逆算して土地と建物にかける費用を考えておくことが大切です。
ハザードマップを確認しているか
最近、豪雨による土砂災害や洪水被害のニュースをよく目にします。
これから土地購入を検討する方は必ずハザードマップを確認しましょう。
ハザードマップは国土交通省が運営するポータルサイトで簡単に確認をすることができます。
ただし、災害リスクがゼロの土地はないと思った方が良いです。
大切なことは災害のリスクを確認し、万が一の時の対策をしておくことです。
地盤改良工事の有無
基本的に購入する前の土地は地盤調査を行えない場合が多いです。
売主側の立場になればわかると思うのですが、もし地盤改良工事が必要になるとわかったら買主が購入をキャンセルしたり、値引きを要求する可能性があるためです。
しかし、地盤改良工事が必要かの有無は近隣のデータを見ればある程度判断できます。
データはその地域で施工をした住宅メーカーが持っています。
当然、住宅メーカーもタダでは教えてくれませんので提案を受ける前提で聞いてみると良いと思います。
ただし、同じ土地でないので実際に地盤改良工事の必要かの有無は地盤調査位をしてみないとわかりません。
また、地盤改良工事が必要かの有無は住宅メーカーの基準や建物によって異なりますが私の経験則で言うと6割位は必要でした。
特に新しい造成地は高確率で地盤改良工事が必要だと思った方が良いです。
地盤改良工事の金額は80〜100万円を超える場合もあり、有り無しで資金計画が変わってきます。
電柱の位置
敷地内、または前面道路の中途半端な位置に電柱があると建物の配置や間取りはほとんど決まってしまう可能性があります。
電柱によって決まってしまうというのはなんだか釈然としません。
状況によっては電柱を移設することも可能性ですが道路にある電柱を移設する場合は全額自己負担となります。
また、電柱を移設することによって近隣に影響が出る場合は事前に近隣住人の承諾が必要になります。
敷地内の電柱を敷地内に移設するのであれば電力会社が負担をしてくれるのですが移設場所を自由に決められるわけではありません。
もしそのような土地を検討する際は住宅メーカーに間取りの依頼をすることをおすすめします。
ゴミ集積所の場所
ゴミの集積所が土地に隣接していると臭いやカラスなどの問題が発生する可能性があります。
また、忙しい朝に距離のあるゴミ集積所まで捨てに行かないといけないことはストレスを感じることになるかもしれません。
優先度は低いかもしれませんが確認をしていて損をすることはありません。
前面道路が車の抜け道になってないか
大通りから数本なかに入った道路でも実は大通りへの抜け道になっていて時間帯によって交通量が増える道路があります。
特に通勤・帰宅の時間帯は日中とは違った景色になったりします。
トラックの音や振動で目が覚めたり、排気ガスで建物が汚れてしまったら最悪です。
できれば朝、昼、夕方、夜の時間帯に現地と周辺環境をチェックすることをおすすめします。
交通量だけではなく予想外の問題を発見できる可能性もあります。
前面道路に消火栓はないか
道路交通法で消火栓や防火水そうから5m以内の場所への駐車は禁止されてます。
自分の土地であっても例外ではありません。
せっかく土地を購入したのに消火栓によって駐車場やガレージを確保できない可能性があるので注意が必要です。
学区を確認しているか
お子様を持つ家庭であれば学区については把握していると思います。
しかし、通学路まで確認している人は少ないと思います。
物件資料に距離○○m(徒歩○○分)と記載をがあっても安心せず、実際に通学と帰宅の時間帯に歩いて確認しましょう。
迂回しないといけない道だったり、歩道が無かったり、大型トラックが多いなどといった問題点を発見できるかもしれません。
抵当権が入っていないか
抵当権を一言で言うと金融機関が住宅ローンを貸し出す際に、債務者の土地や建物に保証会社が担保を設定することです。
売主が住宅ローンを滞納して抵当権が実行されるとに保証会社が対象不動産を競売にかけ売却をします。
住宅ローンを組むと必ず抵当権は設定されますが抵当権が消滅していない土地を買うことは大きなリスクがあります。
つまり、買主が土地代金を支払ったとしても売主の土地の抵当権が実行されると所有権を失ってしまう可能性があるので要注意です。
地目の種類
地目とは登記された土地の種類のことで「宅地」や「田」、「畑」などがあります。
土地の現況ではなく登記された内容が地目なので要注意です。
地目は法務局で対象の土地の謄本を取得すれば簡単に確認ができます。
仮に地目が「田」の土地を購入する場合は、農地転用の許可や地目変更といった手続きが必要となります。
農地転用の許可とは農地を農地以外の地目に変更する際に必要な手続きで、農業生産力を守るために農地法で定められており、農地に個人が建物を自由に建築することを規制しています。
また、地目変更をすためには変更登記を行う必要があり、司法書士に依頼した場合5万円程の費用が発生します。
地目が農地などの場合は申請許可までの期間と費用がかかることを覚えておきましょう。
2. 条件を100%満たす土地は存在しない
この記事をここまで読んで頂いた方は土地の潜在的な費用負担やリスクを回避するための知識をつけられたと思います。
しかし、とはいっても理想の条件を全て満たす土地はおそらく存在しません。
仮に存在しても相場より高額か、あるいは水面下ですぐに売れてしまいます。
土地選びはタイミングと決断が大切です。
自分の中でここだけは譲れない点を整理し、合致する条件の土地が見つかればすぐに住宅メーカーに相談すると良いでしょう。
ただし、土地が見つかった時に慌てて住宅メーカー選びをするとあまり良い事はありません。
前もって検討する住宅メーカーを2社くらいに絞っておき、土地が見つかったらすぐ相談できる状態がベストです。
3. おすすめの土地とは
結論、新しい分譲地です。
分譲地とは不動産会社や住宅メーカーが広い土地を仕入れて、住宅用地に造成工事して販売する土地のことです。
この記事で解説している土地選びで失敗しないポイントの7〜8割くらいをクリアしています。
ただし、新しい分譲地は建築条件付き(建築する住宅メーカーが決まっている)の場合が多いので土地と同時に住宅メーカーも検討する必要があります。
また、予算を重要視する方は北向きの土地がおすすめです。
土地価格が南向きの土地と比べ坪2〜3万円ほど安くなっている場合があるので検討する価値はあると思います。
4. まとめ
以上、失敗しない土地選びのポイント20選を解説させて頂きました。
土地の潜在的な費用負担やリスクを回避するためのポイントを把握しておかないと後悔することになります。
しかし、全てを満たす完璧な土地はおそらく存在しませんので条件によっては割り切る必要もあるかと思います。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。