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注文住宅の打ち合わせは、想像以上に早いテンポで進みます。人によっても異なりますが、打ち合わせを開始して1ヶ月後に契約しているケースも珍しくはありません。
しかし初めての注文住宅、「本当に契約しても大丈夫?」と不安を抱いている方も多いのではないでしょうか?
Contents |
1. 工事請負契約とは?
工事請負契約(以下、契約)とは、施主(注文者)と住宅メーカーとの間で取り交わされる契約のことです。
契約書には、契約時点での間取りや見積もりが添付され、着工から完成までのスケジュールが定めらます。
一般的な契約=ゴールとは異なり、注文住宅の場合契約してからが本番となります。あくまで家を建てる住宅メーカーを決めるための契約と言い換えることもできます。
もちろん一度契約を締結すると簡単に後戻りできません。
2. 注文住宅の工事請負契約前にチェックすべき7つの注意点
2-1. 着工までの打ち合わせ期間は十分か?
注文住宅は契約したらすぐに着工するわけではありません。実は間取りの詳細やインテリア、外構などの打ち合わせは契約以降に行われます。
そのため、契約から着工までの期間があまりにも短いとじっくりと検討することがでできません。
さらに住宅メーカーによっては打ち合わせの回数が決められていたり、予め決められたインテリアパターンしか選択肢がない場合があるため、じっくり決めたい派は要注意です。
また着工前までに確認申請の許可を取得する必要があるため、遅くとも着工の1ヶ月前位からは間取りの変更ができなくなることを念頭に入れておきましょう。
建物の面積などによっても異なりますが、契約から着工まで3ヶ月は打ち合わせの期間として欲しいところです。
注文住宅の流れや完成までの期間は?【注意したいポイントをわかりやすく解説】
2-2. 間取りはいつまで最終決定すればいいか?
建築基準法で建物の着工をするためには、確認申請の許可を取得しておく必要があります。そのため設計士が間取りなどの図面をまとめたり、申請から許可までの期間を逆算して、遅くとも着工の1ヶ月前くらいまでに間取りを決定していなければなりません。
また確認申請には窓などの開口部も関係してくるため、外観もほぼ変更ができなくなります。
契約時の間取りで最終決定であれば問題ないですが、決めかねている場合はいつまでに決定すればいいか必ず確認しておきましょう。
変更自体はできますが、確認申請の図面を修正したりする必要があるため、着工まで許可が間に合わず、追加料金が発生する場合があるので要注意です。
2-3. 建物の仕様を確認をしているか?
仕様とは、建物の外装や内装、設備などの種類やグレードのことです。
この仕様は必ず契約前に確認をしておきましょう。なぜなら、見積もりの根拠となるものなので、契約後に変更すると追加の料金が発生する可能性があるからです。
たとえば床材のグレードが最低ランクのものだったりすると、契約後に実物を見て上のランクに変えたくなるかもしれません。1Fのトイレはタンクレスにしたかったのに見積もりはタンクありだったりした場合、変更するだけで数万〜数十万円のアップになります。
そのため見積もりが提示されたら、その根拠となる仕様の実物か、もしくは写真で必ず確認しておくことをおすすめします。
必要あれば仕様の変更を伝えても良いです。もちろん全てを高いグレードに変えると、コストアップするため、予算と相談しながらこだわりたいポイントと分けて決めましょう。
2-4. 外構やインテリア(照明・カーテンなど)の予算取りは十分か?
契約前の段階では外構や照明・カーテンなどのインテリアの細い打ち合わせは行われません。その代わり、予算取りと言った名目で概算金額で資金計画を立てます。
概算金額は敷地や建物の面積によって変わるため一概に言えませんが、たとえば50坪の敷地に35坪の建物を計画している場合、外構で200万円、カーテン・照明で80万円は見ておきたいところです。
もしこの予算取りが足りない場合、契約後の詳細打ち合わせで予算オーバーしてしまい、外構や照明・カーテンに十分な予算をかけられなくなる可能性があるので要注意です。
注文住宅で予算オーバーした時のコストダウン法12選【100万円以上可能です】
下記表では、チェックしておきたいポイントをまとめています。
外構工事 | 駐車場の土間コンクリート面積、アプローチ、門扉、表札、宅配BOX、ウッドデッキ、シンボルツリー、ブロック+フェンスなどの有無や仕様。 |
照明工事 | LED照明器具の種類(ダウンライト、シーリングライト、ペンダントライトなど)や間接照明の有無。 |
カーテン工事 | カーテン、ロールスクリーン、レールなどのグレード。 |
2-5. 解約の規定は確認しているか?(キャンセル料)
複数の住宅メーカーを検討し、その中からようやく一社を決めて安心している方もいると思います。
しかし解約の規定は必ず確認しておきましょう。契約時にも説明はされますが、把握していないと万が一の時モメる可能性があるからです。
キャンセル料は住宅メーカーによって取り決めは異なりますが、基本的に実施した設計内容に応じて計算されます。設計打ち合わせの進捗具合によっては、百万円近くかかる場合もあるので要注意です。
2-6. 他社と比較検討・相見積もりはしているか?
基本的に一社検討は、おすすめしません。理由は比較しないと、「ベストな提案か?価格は妥当か?」がわからないからです。
そのため必ず複数社を比較検討し、相見積もりを取りましょう。値引き交渉がしやすくなる相乗効果もあります。
ただし比較検討する際は以下の点に注意しましょう。
価格帯が離れた住宅メーカー同士で比較しない | 大手とローコストの住宅メーカーで比較してもあまり意味はありません。また大手の間取りをローコストで完全模倣して作ってもらってもはいいものはできません。 |
比較する住宅メーカーは2〜3社に絞る | 4社以上になると時間が足りません。また打ち合わせの密度が下がり、結果的に提案の質が落ちます。 |
必要な情報は隠さない | 年収や自己資金、借金、持病などは答えにくいですが、確度の高い提案を受けるには必須です。 |
2-7. 無理のない予算か?
資金計画は注文住宅を検討する上で最も重要なポイントです。幸せなマイホーム生活を送るために家を建てても、無理な支払いに終われ不幸になっては本末転倒です。
しかし数千万円の買い物になるため、なかなか実感が湧きにくく金銭感覚がマヒしてきます。
また世間では借入は年収の5倍以内とか、返済比率は25%以内とか言われますが絶対的なものではありません。
無理のない予算の立て方はこちらの記事で詳しく解説していますので是非ご覧ください。
注文住宅の予算の決め方は?【月々の返済額から逆算して無理のない借入額にする】
3. 営業マンの契約を急かすトークには要注意!
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3-1. 注意トーク1: 仕様は契約後にじっくり決めましょう。
仕様をキッチリ決めてから契約した方がお客様にとっては安心です。契約しても変更がなければ追加の費用が発生しないからです。
しかし営業マンにとっては、契約まで時間がかかる(時間をかけても契約しなければ全てが水の泡)ため、好まれません。
もちろん金額の誤差が少ない細かい仕様までを決める必要はありません。そこまでの打ち合わせは営業マンにとっても酷だからです。
しかし、予算に関わる内容に関してはしっかりと固めておいた方が良いです。以下は代表的な項目です。
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3-2. 注意トーク2: 予算取りしておくので安心です。
十分な予算が確保されているのであれば、ある程度安心はできます。ただし、そのためにはしっかりとした根拠を提示してもらうべきです。
営業マンの中には契約を取りたいがために、予算ギリギリのお客様に対して、少ない予算取りで安心させようと営業トークで誤魔化そうとする人もいるので気をつけましょう。
3-3. 注意トーク3: 今月契約してくれたら、これだけ値引きします。
ある程度間取りや仕様が決まっていて、最後の一押しのためのクロージングトークならまだ理解はできます。
しかし方向性や内容も固まっていないのに、急に値引きで契約を迫る営業マンには要注意です。仮に大幅な値引額だったとしても、見積もり内容がペラペラで、根拠もわからないと契約後に追加の費用が発生する可能性があります。
特に月末になると、ノルマ達成のために慌ただしくなりがちです。
4. まとめ
以上、「注文住宅の工事請負契約前にチェックすべき7つの注意点」を解説させて頂きました。
これから契約しようと考えている方は、必ず以下の点はチェックしておきましょう。
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この記事を読んで頂いた方が満足な注文住宅ライフを実現できることを願っています。最後までご覧いただき、ありがとうございました。