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注文住宅を初めて検討する人で、どのような流れで家づくりを進めていくかを理解している人は少ないと思います。
営業マンのサポートはあるものの、ゴールや過程が明確なのとぼんやりしているのとでは、打ち合わせの密度や建物のクオリティにも影響してきます。
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注文住宅の流れと期間
1.住宅メーカー・工務店の検討
まずは自分達のイメージする家を実現できそうな住宅メーカーを探すところから始まります。
人によって家に求める価値観は異なるので、自分達が注文住宅で何を実現したいかを明確にしておくことが大切です。
例えば「友人を読んでホームパーティやBBQがしたい」「犬と一緒に暮らしたい」「カフェのような落ち着いたインテリアにしたい」などなど。
そのイメージをしながらネットで口コミや会社HPを見たり、資料請求をするのが良いと思います。
もし気になる住宅メーカーが見つかったら迷わずモデルハウスを見学しましょう。
ただしモデルハウスは、面積も大きく、莫大なコストをかけて作っているので現実離れしているという声も耳にします。
そこでおすすめは、完成見学会やお住まい見学会などのイベントに参加し、リアルサイズの建物を体感することです。
実際モデルハウスは素敵でもリアルサイズはイマイチ…なんてこともありますので、特に下記のポイントに注意して見学すると良いでしょう。
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2.資金計画・予算の把握
住宅メーカーに依頼すれば、ざっくりとした資金計画を作ってもらうことができます。
正確な金額は敷地調査資料やプランがないと算出ができないのでこの時点ではざっくりで十分です。
その資金計画をもとに自分達の予算に収まるかを検証していきます。
予算と言ってもほとんどの方は住宅ローンを借りますので、実際はいくら借入ができるかを想像する方が多いと思います。
一般的に住宅ローンの借入は年収の5〜7倍が目安と言われています。
しかし、重要なのは借入額ではなく「月々いくらの支払うのか」ではないでしょうか。
皆さん借入額を聞いても漠然としてイメージしにくいと思いますが、月収からいくら住宅ローンに充てられるかは簡単に計算できるはずです。
詳しくは下記の記事で解説していますので是非ご覧下さい。
注文住宅の予算の決め方は?【月々の支払額から逆算して考える】
3.プラン・資金計画打ち合わせ
自分達の希望が実現でき、かつ予算に見合った住宅メーカーが絞れたらプラン依頼をしましょう。
プランとは間取りや外観のことで要望をもとに設計士によって作られます。(営業マンが作成する会社もあります)
注文住宅で後悔する間取り5選を解説【流行や先入観に囚われて過ぎている方要注意!】
よほどの理由がない限り、2〜3社の住宅メーカーに依頼することをおすすめします。
理由は競合させ値引きを狙うためと、3社を超えると休日が全て打ち合わせの時間に消え、精神的にも体力的にもキツいからです。
ある程度プランが固まると資金計画が提示されますので、他社と総合的に比較した上で最終的に1社の住宅メーカーに絞りましょう。
資金計画が提示された段階で注意するポイントは下記3点となります。
実は建物の仕様や外構、インテリアの詳細打ち合わせは、建物請負契約以降に行われます。
そのため予算ギリギリで資金計画を組んでいると、詳細打ち合わせ後に予算オーバーになる可能性が高いです。
注文住宅で予算オーバーした時のコストダウン法12選【100万円以上可能です】
また営業マンが資金計画を予算内に合わせるために安い仕様に調整していたり、予算取りとして最低限の物しか含めていないケースもありますので上記表の内容は必ず確認しましょう。
この時点で建物の仕様や外構、インテリアのイメージができていて、その内容を資金計画に反映させておくと詳細打ち合わせでコストアップしにくいです。
4.住宅ローン事前審査
実は住宅ローンは①事前審査→②本審査(本申込)→③契約(金銭消費貸借契約)の3回の手続きが必要となります。
まず事前審査は、複数の金融機関に依頼することをおすすめします。
理由は金融機関によって借入の条件が異なるので、比較検討するためです。
1週間もあれば合否の結果のほか、借入金額の上限や金利条件などが通知されます。
比較する際は、金利の低さだけではなく保証金や手数料、団信、疾病補償などの条件を総合的に見て判断しましょう。
また万が一持病や過去に精神疾患の症状などがあった方は早めに営業マンに相談することを忘れずに。
5.工事請負契約
工事請負契約は住宅メーカーを決める契約です。
契約をすると自動的にレールが敷かれ、ゴール(完成)に向けてスタートするので簡単に後戻りできません。
詳しくは下記の記事で解説しているので要チェックです。
【超重要】注文住宅の工事請負契約前にチェックすべき7つの注意点!
6.詳細打ち合わせ〜追加契約
詳細打ち合わせではまず、プランを確定させることが第一優先となります。
確認申請のための準備や申請期間に約1ヶ月ほどかかるので、余裕を持って着工の2ヶ月前までにはプラン確定しているのがベストです。
また建物の仕様やインテリア、外構はここからが本番で、新たにインテリアコーディネーターや外構担当者が登場し、サンプルを見ながら打ち合わせが行われます。
どうしてもグレードが高い仕様に目移りしてしまいがちですが、あっという間に予算オーバーしてしまうので、こだわりたいポイントとそうでないポイントを分けて考えましょう。
例えば1Fだけ無垢フローリングにして、2Fはコストを落として突板フローリングにするなど、生活の中心となる部分にお金をかけた方が満足度は高いです。
注文住宅で予算オーバーした時のコストダウン法12選【100万円以上可能です】
詳細打ち合わせでは下記のポイントに注意しましょう。
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7.住宅ローン本審査(本申込)
着工前までには住宅ローンの本審査に合格しておくことが必要です。
本審査は金融機関の本部や保証会社が行い、勤務状況や年収、資産の状況、健康状態など事前審査より厳密に実施されます。
特に持病や精神疾患があると団信で引っ掛かり、審査に通らない場合もあるので要注意です。
フラット35などの選択肢もありますが金利条件なども異なりますので健康状態に問題がある方は隠さず事前に担当者に伝えておきましょう。
8.着工〜上棟
プランの確認申請の許可が下りると、ついに着工です。
着工前には神主を呼んで地鎮祭が行われ、施主・営業マン・設計士・工事担当と共に建物の無事完成を祈願します。
その際に神主に「初穂料」と言われる謝礼をお支払いします。相場は3万円程です。
その後上棟(建物の骨組み・屋根が完成)時には、現地でコンセントやスイッチの位置の最終確認が行われます。
住宅メーカーにもよりますが、一般的に35坪位の建物であればで4ヶ月前後で完成に至ります。
9.住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)
建物の完成が近づくと、住宅ローンの実行に向け金銭消費貸借契約(金消契約)を銀行と締結します。
段取りは営業マンや銀行側が行ってくれるので特に難しく感じる必要はないのですが、必要書類の提出が遅れたり、スケジュールを急に変更するとローンの手続きが間に合わず、引渡しが遅れてしまう場合があるので要注意です。
10.住宅ローン実行、引渡し
無事住宅ローンが実行されると登記手続き→引渡しという流れになります。
建物が完成した段階で竣工立会がありますのでその際にチェックした傷や汚れなどが改善されているか最終確認をします。
長い打ち合わせを経て、ようやくゴールです。
引渡し以降は、工事担当者からアフターメンテナンスの担当者に引き継がれ、長い付き合いが開始します。
まとめ
以上、注文住宅の流れと完成までの期間を解説させて頂きました。
注文住宅は決める内容も多く、ゴールや過程が不明確だと打ち合わせの密度や建物のクオリティに影響が出ます。
逆に明確になっていれば、いつ何を決めて、どんなポイントに注意すればいいかを念頭に置いて打ち合わせできます。
理想の注文住宅を叶えるために、是非参考にして頂けたら幸いです。