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吹き抜けといえば「明るい」「おしゃれ」「高級感がある」と憧れをを抱く方も多いでしょう。しかし同時に寒いという声もよく耳にします。実際その通りで、対策を何もしないとただの寒い空間になってしまうので要注意です。
この記事では、吹き抜けのメリットとデメリット、導入する際の寒さ対策などについて詳しく解説しています。
Contents |
1. 吹き抜けのメリット
1-1. 日当たりが悪くても採光を確保しやすい
吹き抜けを導入する目的の多くは、採光を確保するためが一般的です。
たとえば狭小地で南側の建物と距離が近いと日当たりが悪くなるため、吹き抜けは有効な手段と言えるでしょう。高窓からリビングなどに直接日差しが差し込むので明るい空間になります。
ただし、夏場に直接日差しが入ると体感的に暑くなりやすいので、バーチカルブラインドを取り付けるなどの対応は必要でしょう。
1-2. 部屋に開放感を感じられる
一般住宅の天井高は2.4〜2.6mです。日本人男性の平均身長が171cmなので、天井が低いと感じる方は少ないでしょう。しかし吹き抜けがあると、2階天井まで空間が広がるので圧倒的な開放感があります。
また仮に広さが同じリビングの家があったとして、吹き抜けが無いのと有るのとでは体感的に後者の方が広く感じられます。
この開放感に魅力を感じて、日当たりが良くてもあえて吹き抜けを選択する方もいるくらいです。
1-3. おしゃれで高級感のある印象になる
吹き抜けのある家に憧れた経験を持つ方は、多いのではないでしょうか。住宅雑誌を見れば吹き抜けに大開口の窓、おしゃれな照明に天井のモールディングなど夢は広がります。
実際吹き抜けがあるだけでおしゃれで高級な印象になりやすいです。
2. 吹き抜けのデメリット
2-1. 寒い・暑い・電気代が高くなりやすい
最大のデメリットと言えるのが、冬場は寒く、夏場は暑くなりやすい点です。
空気は暖かいと軽く、冷たいと重い性質があるため、冬場エアコンなどで部屋を暖めても、吹き抜けから暖気が逃げてしまい、窓などにぶつかって冷やされた空気が1階へと降りてくる現象が発生します。夏場は高窓からの日差しが入ってくるので、体感的にも暑くなりやすいです。
また空間が広いと冷暖房をする体積も大きくなるため、エアコンの電気代が高くなりやすい傾向があります。
2-2. メンテナンスが大変
高い位置にある窓や照明器具に溜まったホコリの掃除は簡単にできません。また照明の電球が切れた際は、専門業者に対応してもらう必要があります。
2-3. 建築コストが高い
吹き抜けのある家は、建築コストが高くなります。床面積の合計である延床面積は大きくなくても、実際は施工床面積が大きくなっているからです。
たとえば延床面積が35坪だとして吹き抜けが4畳分あれば、施工床面積は2坪増えることになます。つまりその分の構造体や屋根などの費用が発生しているため、数十万円から100万円以上の金額がかかるということです。
2-4. 音や匂いが広がる
2階の空間と吹き抜けがつながっている場合は、音や匂いが広がります。リビングでTVを見ている音や話し声が部屋まで響いたり、キッチンで魚を焼いている匂いを強く感じることもあるでしょう。部屋干ししている洗濯物に匂いが移ることもあります。
3. 吹き抜けを導入する際の寒さ対策
3-1. シーリングファンは必ずつける
暖かい空気は上昇する性質があるため、吹き抜けのあるリビングは寒くなりがちです。そのため吹き抜けの天井にシーリングファンを設置することを強くおすすめします。上昇してきた暖かい空気に天井からファンの風を送ることで、1階へ暖気を戻す効果があります。
しかしこれで寒さの問題が解決するわけではないので、プラスアルファの対策もしておくべきでしょう。
3-2. 床暖房を併用する
できればエアコンだけではなく、床暖房もセットで検討することをおすすめします。暖かい空気の上昇を防ぐ根本的な解決にはなりませんが、冬場は足元が寒くなりやすいので、特に冷え性の方には安心です。
また全館空調を導入する際でも、同じことが言えます。
全館空調のメリット・デメリットを解説【導入の際に注意するポイントとは?】
ただし、床暖房の設置コストと月々のランニングコストがかかるため、予算との相談も忘れずに行いましょう。
3-3. 高窓から入る日差し対策をしておく
夏場になると特に、高窓から日差しが差し込んできます。体感的にも暑くなりますし、床やクロスなどの日焼け防止のためにも対策はしておくべきです。
対策としては、ロールスクリーンやバーチカルブラインドで日差しを遮る方法があります。手動タイプより自動タイプの方が使い勝手は良いですが高いので、予算に応じて選ぶと良いでしょう。
3-4. 断熱性や気密性、窓の性能を高める
吹き抜けがあっても夏涼しくて、冬暖かい家にしたいと思う方も多いはずです。吹き抜けがある以上実現することは簡単ではありませんが、断熱性や気密性、窓の性能を高めることで理想に近づけることはできます。
たとえば床・壁・天井(または屋根)の断熱材のグレードを上げたり、鉄骨ではなく熱伝導率の低い木造を選ぶと熱の影響を軽減することが可能です。気密性は在来工法より2×4工法の方が優れています。
また窓ガラスは2層よりも3層、アルミサッシより樹脂サッシの方が性能が高く、Low-E膜やアルゴンガスの充填などのオプションが用意されているので、予算に応じて検討すると良いでしょう。
4. まとめ
以上、吹き抜けのメリットとデメリット、導入する際の寒さ対策などについて解説させて頂きました。
吹き抜けのメリット | 吹き抜けのデメリット |
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吹き抜けを検討する際に大切なことは、しっかりとメリットとデメリットを理解しておくことです。そして1番の問題である寒さについても対策を講じておきましょう。
吹き抜けを導入する際の寒さ対策 |
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最後までご覧頂き、ありがとうございました。