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注文住宅の見積もり内容は、一般の方が見ても正直ほとんどわかりません。どんな内容の工事か?適正価格は?そもそも必要か?それらを判断するためには家づくり全般の知識が必要だからです。
そのため内容を確認せずに契約を進めると、後々トラブルに発展する可能性があるので気をつけましょう。
この記事では、注文住宅の見積もりでありがちなトラブル6選と対策方法を詳しく解説しています。
Contents |
注文住宅の見積もりとは?
そもそも注文住宅の見積もりとは、資金計画書に記載された各項目の詳細内訳のことをいいます。契約前に営業担当者から提示され、説明がなされるのが一般的です。
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基本的に注文住宅の見積もりは、間取りや外観、付帯工事などの内容が定まらないと正確な見積もりを出すことができません。当然変更があれば見積もり価格も変わります。そのため契約前までは資金計画書でざっくりとした価格を把握しならが打ち合わせを進めていきます。
ある程度の内容が定まった時点で見積もりを作成してもらい、値引き調整なども含め契約となる流れです。
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注文住宅の見積もりでありがちなトラブル6選
契約後の追加工事費
実は注文住宅は契約して完了ではありません。契約はあくまでも建てる住宅メーカーを決めるための手段で、契約以降に詳細打ち合わせが行われます。
具体的には、間取りの詳細や仕様、住宅設備、インテリア、外構などです。契約時には住宅メーカー側が指定した中位グレードの見積もり内容になっている場合が多いですが、詳細打ち合わせで施主が希望する内容に変更すると見積もり価格が変わります。
たとえば屋根材を当初のスレートから瓦に変えればプラスの差額が発生しますし、逆に窓の数を減らせば減額となります。
最終的に全ての内容が固まったら再見積もりをとり、契約時との差額を積算します。もちろん契約時より減額となるケースもありますが、ほとんどの場合追加工事費が発生します。
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対策方法
契約の前に見積もりの根拠となる仕様や設備などを営業マンに確認しましょう。口頭だけではなく、写真付きのプレゼン資料にまとめてもらったり、サンプルを見せてもらうとわかりやすいです。
確認した上で、変更したい部分があれば申し出ても問題ありません。特に床材は範囲が広く、標準仕様の突板から無垢材に変えると数十万円の増額になるため、要チェックポイントです。
その時知っても後で知っても増額になることは同じですが、契約前であれば値引き交渉に利用できたり、他の部分を調整したりもできます。
予備費が足りない
予備費とは地盤改良工事費や外構、照明・カーテン、諸費用などの契約段階では詳細が未確定な項目を概算としておく金額のことです。施主としては「一体総額でいくらになるのか」が一番気になる点ですが、注文住宅では契約してから詳細打ち合わせを行うため、契約時点では総額がわかりません。
そのため資金計画書で上記のような項目を予備費としておくことで、ざっくりとした総額を把握しておきます。
それぞれの項目の予備費は決まっているわけではなく、建物のボリュームに応じたり、各営業担当者のさじ加減によることが多いです。見込みが甘いと詳細打ち合わせで見込んでいた予備費が足りなくことがあるため要注意です。
また、営業マンによっては契約が欲しいがために、予備費をわざと少なく見積もって総額を安く見せかけるケースがあります。当然後々トラブルに発展することになりますが、その時点でキャンセルを行なうと解約料が発生する可能性が高く、時間も帰ってきません。
その予備費が適正額かを一般の方が判断するのは難しく、予備費は建物のボリュームや敷地によっても異なるため一概に答えることできないため以下の方法がおすすめです。
対策方法
対策としては、根拠となる図面や仕様見積もりを作ってもらうことです。契約前に詳細打ち合わせを行うことは、住宅メーカー側の負担が大きくなるので難しいですが、予備費の根拠となる図面や見積書は作ってもらえる場合があります。
低ランク仕様の見積もりになっている
営業マンがお客さんの予算に合わせるために、仕様を一番低いグレードにせざるを得ない場合があります。グレードが低いからダメというわけではなく、問題は中〜高グレードの仕様に変更した際に差額アップになるということです。一ヶ所数万円の差額だったとしても、その数が多ければ数十万円の差額にふくらみます。
また低ランクの仕様見積もりになっていると減額する余地がなく、必要な追加工事が発生した際に、対応できないこともあるの余力は残しておくべきです。
また値引きを少しでも多く引き出したい方はなるべく仕様は下げすぎない方が良いでしょう。値引き額は、仕様が含まれる本体工事価格に対する割合で決まるため、本体工事価格が低くなれば値引き額も少なくなるからです。
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対策方法
すでに上記で解説した内容と同じく、見積もりの根拠となる仕様書を確認しましょう。もし低グレードの仕様に納得できなければ、グレードアップした際にどれくらいの追加費用がかかるかを聞き、契約の値引き交渉として利用するのも一つの手です。
希望のオプションが見積もりに含まれていない
言った言わない、勘違いで起こりやすいトラブルが希望を伝えていたはずのオプションが含まれていないことです。どちらのミスかはケースバイケースなので一概には言えませんが。
家づくりの打ち合わせは多くのことを決めるため、内容が抜け落ちてしまったり、お互いの解釈が異なったまま進んでしまうことが起こり得ます。見積もりの段階で気付ければ良いですが、建物が完成してからでは手遅れな場合もあるので要注意です。
対策方法
営業マンや設計士が残す打ち合わせの記録に漏れや誤りがないか確認しましょう。少し手間はかかりますが、後悔のない家づくりにするためにも大切な作業です。
見積もりが高すぎる
見積もりは住宅メーカーによって異なるのはご存知だと思いますが、実は同じ会社でも、見積もりを積算する担当者によっても変わります。数万円から百万円単位で変わることも珍しくありません。
また営業マンはお客様から値引きを要求されることを想定し、予め見積もりを操作していることもあります。
たとえば通常の見積もり価格にさらに利益を上乗せし、その上乗せした利益分を値引きとして提示すれば実質値引きゼロです。高い理由を資材が高騰している、職人が不足していて工賃が上がっていると言われれば納得せざるを得ません。実際高騰しているのでウソでもでないのですが…。
そもそも一般の方が見積もりが高いか安いかを判断することは難しいでしょう。
対策方法
同ランクの住宅メーカーを比較検討することをおすすめします。仮に契約する住宅メーカーがほぼ決まっていても複数社検討すべきです。
他社の存在を知らせることで、見積もりの精度向上や利益上乗せの抑止効果につながります。
細かい仕様の設定や単価は各社異なりますが、もし建物本体工事費に極端な差があった場合は慎重になりましょう。
予め聞いていた坪単価より高い
「○○会社さんの坪単価はいくらですか?」とモデルハウスに来場した方の大半がこの質問をします。
坪単価とは、建物本体工事費を坪数(延床面積)で割った単価のことを指しますが、注文住宅は他にも付帯工事費や諸費用などがかかりるため、坪単価にプラス20〜25万円ほどを想定しておかなければなりません。
この辺りは資金計画書の説明を聞けば簡単にわかる話ですが、坪単価だけを聞いて誤解しないようにしましょう。
また極端に安い坪単価だからといって安心するのも要注意です。その坪単価には最低限しか含まれておらず、必要な設備が追加オプションになっていて、結局は聞いていた坪単価より数十万円高かったという話を実際聞くことがあります。
営業マンがお客様の気を引くために安い坪単価で案内したのでしょうが、それで信頼関係が築けるのか疑問ですし、予算が合わなければ時間の無駄です。
また逆にあえて高い坪単価を伝える営業マンにも注意が必要です。詳細は下記で解説していますので損したくない方はご覧頂くことをおすすめします。
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対策方法
基本的には坪単価の質問をすることはおすすめしません。上記で解説した通り、坪単価は説明する側の都合で高くも安くも調整することができるからです。
しかし検討する住宅メーカーがどれ位の予算で建てられるかは、ほとんどの方が気になるところでしょう。
そこで予算を把握したい場合は、営業マンに依頼して資金計画書を作ってもらうようにしましょう。一通り説明を受け、どんなものが含まれてそれ以外にかかる費用がないか確認すると良いでしょう。
見積もりトラブルを防ぐためのポイント
上記で解説した注文住宅の見積もりトラブルを防ぐポイントをまとめました。後悔しない家づくりをするためにも是非実践して頂くことをおすすめします。
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まとめ
以上、注文住宅の見積もりでありがちなトラブル6選と対策方法を詳しく解説致しました。注文住宅の見積もりは内容を見てもわかりにくいため、しっかりと確認せずに契約を進めてしまうと後々トラブルに発展する可能性があります。
この記事を参考にして頂き、後悔のない家づくりをして頂けたら幸いです。最後までご覧頂き、ありがとうございました。