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インターネットで土地探しをしていると、相場より明らかに安い土地を見かけた経験が誰しもあると思います。安い理由は様々ですが、中には初心者が絶対に手を出してはいけない土地があります。
しかし不動産に関するの知識や経験がないがため、購入を決断してしまうと後悔することになります。
この記事では、買ってはいけない土地の特徴8選を詳しく解説しています。
Contents |
1. 買ってはいけない土地の特徴(法令不適合な土地)
1-1. 接道義務を果たしていない土地
接道義務とは幅員4m以上の道路に、土地が2m以上接していなければいけないルールのことで、建築基準法43条で定められています。
理由は災害時などに緊急車両が入ったり作業をスムーズに行うことができないためです。
しかし、建築基準法(1950年制定)や都市計画法(1968年制定)が存在しなかった時代に建てられた建物などで接道義務を満たしていない建物が未だ数多く存在しています。
このような物件は違法建築物として扱われるため、買ってはいけません。理由は以下のとおりです。
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ただしセットバックと呼ばれる、道路中心線から外側にそれぞれ2m後退した位置が敷地境界線とみなされている土地であれば、購入を検討しても良いでしょう。
1-2. 私道負担がない土地
私道の多くは、特定行政庁から指定された位置指定道路とされ、建築基準法条の道路として認められています。
接道義務は満たしていることになりますが、その私道の所有権を持っていない場合は所有者の許可がないと利用できません。
基本的に私道の通行に関しては、所有者は拒否できないことになっています。
しかし新築や建替えに伴う水道管の引き込み工事などに関しては、所有者から道路の掘削や私設管の利用の許可が必要です。
つまり、所有者の許可がないと新築や建替えをすることができないということになります。
また所有者が複数いる場合は全員から許可が必要で、場合によっては使用料として金銭を要求される場合もあります。
基本的に私道負担のない土地の購入は控えるべきですが、私道所有者の誰かかから所有権を分けてもらえる場合に限っては検討しても良いでしょう。
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1-3. 市街化調整区域の土地
市街化調整区域とは、都市計画法で定めれた市街化を抑制すべき区域のことです。
そのため市街化調整区域で建物を建てる際には、基本的に開発許可が必要となります。
また開発許可が不要な場合もありますが、誰でも簡単に建てられるわけではありません。
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1-4. 古い石積みの擁壁がある土地
擁壁とは高低差のある土地や斜面地などで、土砂が崩れるのを防ぐために設けられる壁のことです。
建築基準法では高さ2mを超える擁壁を作る際に確認申請が必要とされていますが、建築基準法制定前に建てられた擁壁は強度に問題がある可能性が高いです。
具体的には古い石積みや既存の擁壁の上に後から増積みされた擁壁などは、土圧や建物の荷重、雨水などの重みで倒壊する危険性を含んでいます。
そのような構造的に不十分な擁壁は確認申請が通らないため、数百万〜数千万をかけて擁壁ごと造り直さなければならない場合があります。
安い土地だからといって、擁壁の作り直しで高い費用がかかれば本末転倒です。
また高さ2mを超え、30度を超える傾斜地はがけと定義され、「がけ条例」の適用を受けることになります。
以上の理由から「がけ条例」の適用を受けるような古い石積みの擁壁がある土地は、擁壁を作り直す費用を負担しなければならなかったり、有効利用できる土地の面積が狭くなったりするのでおすすめはしません。
2. 買ってはいけない土地の特徴(リスクが高い土地)
2-1. 境界が不明な土地
一般的に土地の売買は、境界がしっかり確定している前提で行われます。
しかし稀に境界が不明にもかかわらず、売りに出されているケースがあるので要注意です。
確実に隣地所有者と揉めることになります。もちろん隣地所有者の許可なく、勝手に境界杭を設置することはできません。
理由は境界の位置が数センチ違うだけでも、土地の価格が数万から数百万円変わってくる可能性があるからです。
境界確定は対象土地に接する土地所有者や道路所有者立ち合いのもと、土地家屋調査士に必要書類を作成してもらう必要があるため、手間とお金がかかります。
2-2. 道路より低い土地
道路より低い土地は基本的におすすめしません。理由は雨水が敷地に流入してくるからです。
さらに敷地内の排水や雨水は、勾配を利用して道路の下を通る下水管や側溝に流しますが、敷地が道路より低いとポンプを利用しなければならず、余計なコストが発生します。
また隣地の土地より低い場合は、土留ブロックの費用負担をどちらがするかが問題になりやすいです。
2-3. 過去に水害があった土地
過去に水害があった土地は、将来同じことが起こる可能性が高いです。土砂災害や川の氾濫、雨水の溜まり場などは、個人の力でなんとかなるものではありません。
補修費用がかかったり、湿気でカビが繁殖したり、最悪の場合住めなくなる可能性もあります。
知らなかったと後悔しても遅いです。
2-4. 過去に地震被害が大きかったエリアの土地
地盤の強度は、地震に強い建物を建てる上で最も重要なポイントです。
いくら建物の耐震性能が高かろうが、地盤が安定していないとあまり意味がありません。
地盤沈下や地滑り、液状化などが起こると、建物に与える被害は甚大なものなってしまいます。
東日本大震災でも、エリアによって建物被害の差は異なり、データで見ると地盤の影響は大きかったようです。
引用:東日本大震災 宮城県マンション 被害状況報告-株式会社東京カンテイ
しかし強い地盤のエリアに限定しすぎると、選択肢が狭くなってしまったり、住みたいエリアではなくなってしまう可能性があります。
また新しく造成した分譲地は地盤は強くないことが多いです。
極端に軟弱地盤のエリアや過去に地震被害が大きかったエリアは避けるべきですが、現実的には地盤改良工事を行う前提で探すことになるのではないでしょうか。
ちなみに地盤改良工事には数種類の方法ありますが、60〜100万円位のコストが目安です。地盤調査の結果に基づき、工法を決めたり、金額を算出します。
地盤について調べたい方は、以下のサイトが参考になるのでおすすめです。
3. まとめ
以上、買ってはいけない土地の特徴を解説させて頂きました。
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ポイントは法令に適合していない土地と、将来トラブルになるリスクが高い土地です。
これから土地探しをする方の参考になれば、嬉しく思います。最後までご覧頂き、ありがとうございました。