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注文住宅は高い買い物な為、値引き交渉でなるべく安くしたいと思う方は多いと思います。
しかし、普段から交渉ごとに慣れている人ならともかく、経験豊富な営業マンに価格交渉をして大きな値引きを勝ち取ることは簡単なことではありません。
営業マンも値引き交渉があることを前提に、値引きの落としどころや契約までのストーリーを考えているためなおさらです。
この記事では、大手住宅メーカーに勤務していた実体験をもとに、注文住宅で大値引きを狙う5つの方法を解説しています。
Contents |
1. 適正な値引額とは?
本記事で解説している値引きとは「建物本体価格」に含まれる、住宅メーカーの利益額から差し引く金額を指しています。
「建物本体価格」に対する「利益額」の割合が利益率です。
住宅メーカーによって設定している利益率は異なり、商品プランによっても利益率を変えている場合もあるので、適正な値引額や値引率を一概に言うことはできません。
実際、住宅メーカー各社によってMAXの値引率は0%から15%前後と大きく差があります。
また、大値引きに見せかけるために最初から建物本体価格に金額を上乗せして、上乗せした分と合わせて値引きすることで大値引きに見せかけるパターンもあるので注意が必要です。
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2. 注文住宅で大値引きを狙う方法5選
2-1. 同価格帯の住宅メーカーを競合に入れる
注文住宅にかかわらず、他社と競争させ値引きを狙う方法は鉄則パターンだと思います。
ポイントは同価格帯の住宅メーカーを競合させることです。
もし本命の住宅メーカーが決まっていたとしても、最後まで他社の存在は匂わせておきます。
住宅業界ではよく後出しジャンケンが有利と言われており、営業マンは他社よりも後に見積もりを出した方がクロージングしやすいです。
最後の最後まで競合させて値引き合戦を誘い、結果的に大値引きを勝ち取るパターンです。
また、勇気があれば契約するので追加で30万お願いしますと交渉するのも悪くはないと思います。
私は若手の時、商売上手なお客様と他社のしつこさもあり、上記のようなやりとりを2回繰り返しクタクタになって契約した苦い思い出があります。
2-2. 若手〜中堅の営業マンに担当してもらう
店長クラスの営業マンの方が値引きの決裁権を持っていて、大幅な値引きを期待できると思う方も多いでしょう。
しかし実際は逆で、店長クラスになると会社から高い利益ノルマが課せられており、また部下の手本となる必要があるため、大値引きはあまり期待できません。
そのため、会社のしがらみが比較的少ない若手〜中堅の営業マンの方が大値引きしてくれる可能性は高いです。
特に中堅の売れている営業マンであれば社内での信頼度が高く、融通がきいたり、人を動かす能力にも長けている為、上司との値引き額の交渉もうまく行ってくれるでしょう。
1番値引きの融通が効きやすいのは若手ですが、経験が少い分段取りが悪いこともあります。多少ストレスを感じながらの家づくりになることは覚悟しておくべきです。
2-3. 仕様グレードを高めに設定する
仕様グレードを高めに設定すると建物価格は高くなります。
仕様とは屋根材、外壁材、床材、壁材や住宅設備(キッチン、浴室、トイレ、洗面など)の種類ことです。
例えば瓦とスレート材では価格が異なるように選んだ仕様により建物価格は変動します。
基本的に住宅メーカーは値引き額を金額で決めているわけではなく、建物価格に対する割合である程度決めています。
仮に建物価格が2,000万円と4,000万円の建物で値引額が同じだったら後者は納得いかないでしょう。
つまり、建物価格が高い方が値引額が高いということです。
そのため、建物請負契約時は仕様をグレードアップさせた高い建物価格で契約し、値引きを最大限引き出します。
その後詳細打ち合わせが始まったらグレードを普通に戻せば良いのです。
そうすることで値引額はそのままで建物価格が下がるので通常より値引き率が高くなります。
住宅メーカー側も建物請負契約時は値引率や利益額を厳しくチェックしますが、最終的な値引率は比較的チェックが甘くなりがちです。
仕様のグレードは普通に打ち合わせをしていても200万円位あっという間に上がります。
仮に住宅メーカーの値引率が10%だったら20万円分の値引き額が増えるということです。
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2-4. 着工棟数が少ない月に契約を合わせる
住宅メーカーにとって契約数が少ないことは経営上のリスクではありますが、月毎の着工棟数が極端にバラバラだと同じ位リスクになることがあります。
たとえば着工棟数が11月は10棟なのに2月は1棟といった場合です。
住宅メーカーは建物を建てるために経費をかけて下請けなどの職人を抱えています。
しかし工事が少ないと職人を遊ばせておくことになり、かといって職人を抱えていないと工事が多い時期に人手不足となり、工期に間に合わせることができません。
そうすると経費はかかってるもかかわらず、月毎の着工棟数に差が出てしまい、結果売上が安定しなくなります。
そのため住宅メーカーは、月毎の着工棟数のバランスを保つため、大値引きをしてでも着工棟数が少ない月に誘導し、コントロールしています。
この住宅メーカー側の都合を理解し、着工棟数が少ない時期に契約を合わせることで大値引きが期待できます。
実際3月に引渡しを望む声が多い10月や11月、梅雨明けの時期は着工棟数が増える傾向にあります。
逆に12月〜3月は下記データを見てもわかるように着工棟数が少ないので狙い目です。(地域によって施工不可の場合あり)
ただ初めから住宅メーカー側の都合に合わせる必要はありません。
大値引きを狙うことが目的であれば、着工月(引渡し月)は諦め、交渉の材料に利用すると良いでしょう。
また、契約のキャンセルなどが出た場合もチャンスです。
住宅メーカーもキャンセルが出た着工分を埋め合わせするために必死になっているからです。
2-5. 契約の閑散月を狙う
上記と似ていますが、契約数が少ない月に契約することで大値引きを狙えます。
住宅メーカーは毎月の契約目標が事業計画で定めれており、目標値に契約数が届かないと翌月以降に繰越しされるため、毎月が勝負です。
特に月末になるとなんとしても目標を達成するために、多少の大値引きは大目に見てくれる場合があります。
景気や市場、金融政策によって契約数は前後するので一概には言えませんが、一般的に8月、12月、1月は稼働日数も少なく契約数は落ち込みがちなので、大値引きを狙うベストなタイミングです。
よく決算月だから大値引きを期待できるといった声を耳にしますが、個人的には半分正解で半分不正解だと感じています。
決算月でなくても大値引きは狙えますし、決算月だから必ず大値引きしてもらえるわけではありません。
仮に大値引きばかりしていると利益率が大変なことになり、結局は住宅メーカー自身で自らの首を絞める結果となるからです。
3. まとめ
以上、注文住宅で大値引きを狙う方法を5つ解説させて頂きました。
注文住宅で大値引きを狙うには難しいテクニックや交渉力ではなく、住宅メーカー側の都合や心理を理解し、それを逆手にとって利用することです。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。