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足元をじんわりと暖めてくれる床暖房は人気の設備です。しかし使う季節が限定的でイニシャルコストもランニングコスも高いため、コスパが高いとは言えないでしょう。
そもそも床暖房は、暖かい家をつくるという目的の一つの手段でしかありません。床暖房が無くても暖かい家を実現できれば、目的は達成できるわけです。
この記事では、新築に床暖房がいらない理由とコスパ良く暖かい家をつくる5つのポイントを詳しく解説しています。
結論、断熱性や気密性を高めれば、床暖房は不要です。
Contents |
新築に床暖房がいらない理由
そもそも床暖房はエアコンなどとセットで用いられることが一般的です。もちろん床暖房も床からの輻射熱で部屋を温める効果もありますが、真冬のメイン暖房器具としては少々心許ないでしょう。
つまり床暖房を入れるということは、エアコンだけでは寒いということを意味しています。言い換えると、暖かい家であれば、床暖房は不要ということです。
暖かい家をつくるためには、高断熱・高気密がポイントになります。
床暖房は初期費用が高く、秋から春先にかけて月々の電気代(またはガス代)も一生かかります。それであれば、高断熱・高気密の暖かい家にした方がコスパが高いです。
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断熱性・気密性が高く暖かい家をつくる5つのポイント
2×4(ツーバイフォー)工法を選ぶ
高気密・高断熱の家をつくるのであれば2×4工法を選びましょう。
2×4工法とは日本より寒い北米で開発された木造工法のことで、柱や梁の代わりに壁、床、天井をパネルで構成します。パネル同士が緊密して結合しており気密性が高く、またパネルの内側に断熱材を充填することで高い断熱性を誇ります。
同じ木造でも在来(軸組)工法は通気性を確保するための隙間が多いため、2×4と比べ気密性が高いとはいえません。
また鉄骨系は外断熱を採用してはいますが、外気の影響を受け寒くなりやすい傾向があります。
吹き抜け・リビング階段をつくらない
吹き抜けやリビング階段は、空間をおしゃれにワンランクアップさせてくれます。しかし暖かさの観点から考えるとマイナスです。
理由は温かい空気は上昇し、寒い空気は下降する性質があるからです。そのためリビングをいくら温めようが、2Fばかりが温かくなってしまう現象が起きます。
天井にシーリングファンを設置することで上昇した温かい空気を下ろす効果は多少ありますが、問題が100%解決するわけではありません。
窓を増やしすぎない・大開口の窓にしない
実は家の中で熱の出入りが一番大きい場所は窓です。冬場に家から流出する熱の割合の50%が窓からというデータもあり、暖かい家をつくる上で窓は重要なポイントといえます。
そのため不必要に窓の数を増やしたり、大開口の窓を設けたりすると、せっかく高気密・高断熱仕様の家にしてもその性能を活かしきれません。
無垢フローリングを選ぶ
素足で歩く床は直に温度を感じる部分となるため、床材選びは大切です。
おすすめは無垢フローリングで、床暖房ほどではありませんが足元のヒンヤリを和らげてくれます。
無垢フローリングとは、天然の木から伐り出した一枚ものの床材のことです。天然木を薄くスライスし合板に貼り付けた複合フローリングやタイルとは異なり、木そのものの温もりやさらりとした質感を感じることができます。
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熱交換対応の換気システムにする
換気には3種類の方法があり、下図のようにそれぞれ特徴が異なります。
給気 | 排気 | |
第1種換気 | 機械換気 | 機械換気 |
第2種換気 | 機械換気 | 自然換気 |
第3種換気 | 自然換気 | 機械換気 |
換気で注意するポイントは、熱交換に対応しているかです。熱交換とは部屋の温かい空気を外に排出して、外の冷たい空気を取り入れる際に熱を新しい空気移動してロスを軽減することを言います。
建築基準法で24時間換気が義務付けられているため、熱交換に対応していないといつまでも部屋が温まりづらいので要注意です。
まとめ
以上、新築に床暖房がいらない理由とコスパ良く高断熱・高機密の暖かい家をつくる5つのポイントを解説しました。
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この記事を読んで床暖房を検討している方の参考になれば、嬉しく思います。最後までご覧頂き、ありがとうございました。